2007/05/08
■[VoIP]SIProp version 1.0リリース&「俺流プロトコル実装入門」発売決定
SIProp
http://www.siprop.org/
今月の7日に、とうとうSIPropのversion 1.0がリリースされました(SIPropサイトのプレスリリース)。
以前の日記でも簡単に紹介しましたが、SIPropとは、クライアント端末上でB2BUA(Back To Back User Agent)として動作し、各社SIP実装の違い(俗に言う「SIPの方言」)を吸収するオープンソースソフトウェアです。
IPAの未踏プロジェクトとしては今年の3月に終了したのですが、今後も引き続き開発は進められるとのこと。ただ、次のメジャーバージョン(version 2.0)に向けては、今までと多少方向性が変わるようです。以下は、プレスリリースからの引用。
すでに、次期バージョン2.0の構想も発表しており、今年の秋ごろを目処に、現在のクライアントサイドからサーバサイドへのB2BUAフレームワークとしての機能を強化します。スタック部分もJAINには頼らない独自のSIPスタックを搭載することを計画しています。
さらに、新たなプロジェクトして、このSIPropをベースとしたクライアント間マッシュアップ用B2BUAアプリケーションサーバ「雷電」も始動します。これにより、SIPとSIPだけでなくSIP(VoIP)とHTTP(Web)を相互に接続するなどマルチプロトコル間の相互接続実現を目指します。
つまり、SIProp version 1.0はSIP UAにライブラリとして組み込まれることを想定していたけど、version 2.0はSIP UAとは独立した機器の上でB2BUAとして動かせるようになるという話ですね。多分。あと、今後はSIPとHTTPの連携を強化していくようで、これはかなり期待が持てます。最近ごく一部で注目されてるtwitterのクローンを簡単に作れるくらいになれば、一部の偏った趣味の人がこぞって飛びつくんじゃないでしょうか(もちろん僕も)。
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そういえば、このSIPropの開発チームが執筆した「俺流プロトコル実装入門 〜Private Implementation Protocol〜」という本が、今月末あたりに発売されるそうです。
俺流プロトコル実装入門 ~Private Implementation Protocol~(SIPropプロジェクト・今村謙之)
SIProp勉強会の関係で、僕もちょっとだけこの本の校正をお手伝いしたのですが、かなり読み応えのある本になってます。
本の内容は、新しいプロトコルを考えて、RFCを書いて、設計して、実装して……という流れをシミュレートしながら、ネットワークプロトコルへの理解を深めようというものです(「シミュレート」と言ってるのは、この本で提案してる俺流プロトコル(PIP)はSIPを単純化したものだから)。今まで、他の本ではあまり見られなかった内容なので、ネットワークプロトコル、特にSIPのようなIP電話プロトコルに興味のある人は面白く読めるんじゃないでしょうか。
とはいえ、僕もまだ完成版は読んでないので、完成版が手に入ったらまた感想でも書きます。
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