無印吉澤(※新エントリはhatenablogに掲載中)

吉澤です。このサイトではIPv6やP2Pなどの通信技術から、SNSやナレッジマネジメントなどの理論まで、広い意味での「ネットワーク」に関する話題を扱っていたのですが、はてなブログに引っ越しました
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最新 追記

2008/07/02

[SNS]見た目がmixiなtwitter「riro(リロ)」サービス開始

riroトップページ

少し前に高機能なグループウェア「アイポ」をオープンソースで公開して話題になったエイムラック(Aimluck)が、「riro(リロ)」という名前のミニブログサービスを開始しました。

riro(リロ)
http://riro.jp/

今はまだ招待制のサービスなのですが、エイムラックに勤めてる友達に招待してもらって、使い始めてみました。友達がやってることもあって少し応援したい気持ちもあるので、今日はちょっとこのサービスについて紹介してみます。

ちなみにまだ使い始めて1時間くらいしか経ってないので、仕様について勘違いしてたらすみません。

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■ 見た目の話

このサービスを一言で言うと、「見た目がmixiのtwitter」です。

もう少しちゃんと言うと、画面の左側(左ペイン)がmixiに、画面の右側(右ペイン)がtwitterに似せて作られる感じがします。

メイン画面

twitterでは、自分がフォローしている相手は「friends(あなたがフォロー)」、自分をフォローしている相手は「followers(あなたをフォロー)」と区別されています。一方、riroの場合は、自分がフォローしている相手は「マイリロ」ということになって、ちょうどmixiの「マイミク」ように画面左側に表示されるようです。

twitterの方が参照関係を厳密に表現してはいるのですが、mixiに慣れてる人にとってはriroの画面の方が分かりやすそうですね。

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■ さらにmixiに似ている話

あと、mixiに似ているなと思ったのは、「コミュニティ」と「足あと」の機能があるところ。

「コミュニティ」は、mixiと同じように誰でも作れて、管理者がアイコンを決めたり、コミュニティへの参加に許可が必要かどうかを決めたり、とか出来ます。mixiのコミュニティのように「トピック」を立てるのではなくて、コミュニティの中でだけ閲覧できるつぶやきを書き込めるみたいです。

一方、「足あと」は、自分のプロフィール画面を閲覧した人の名前一覧です。メッセージをやり取りするだけでは足あとに残らないので、普段はあまり使わなそうかなあ。

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■ twitterに似ていない部分の話

あと、twitterに慣れてる人が注意しなきゃいけない点としては、誰かにreplyしたいときには、「その人の名前:数値」を先頭に書く必要があります。twitterのようにIDだけ覚えていてもダメなので、ご注意ください。

キーボードから手を放すのがイヤな人にとっては辛いですけど、入力欄の直下に「おしゃべり相手」というアイコンがあるので、これをクリックしてreply先を選ぶのが真っ当なやり方っぽいです。

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■ まとめ

riro(リロ)は見た目mixiのtwitterです。といっても、mixiとtwitterの最低限必要な機能を組み合わせて、うまくシンプルに作ったなあというのが僕の第一印象でした。まだ細かい使い勝手には改善の余地があると思いますが、うまくいって欲しいですね。

もし招待状が必要でしたら招待しますので、招待状の送り先のメールアドレスをメールやtwitterで(?)ご一報ください。平日はちょっと反応できないので、まあ、気長に待ってもらえる方限定でよろしく。

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(2010/03/22追記)
僕自身がriroをまったく使わなくなってしまったので、riroの招待状キャンペーンは終了します。ご愛顧ありがとうございました。


2008/07/14

[SBM]ソーシャルブックマーク研究会(SBM研究会)で個人的に興味深かったテーマ2題

7月13日(土)に、東京工業大学大岡山キャンパスの一室にて、ソーシャルブックマーク研究会(SBM研究会)が開催されました。P2P勉強会等でお馴染みのTomoさんが主催する、ソーシャルブックマーク(Social Bookmark、SBM)をテーマにした新しい勉強会シリーズです。

当日のプログラムおよびプレゼン資料は以下のURLから閲覧できます。

個人的には、ソーシャルブックマークが話題になったのって2005年頃で、そこから先は一部で細々と使われてるだけという印象でした。だからあまり人は集まらないだろうと思ってたんですが……。

しかし「SBMに関する研究会」とターゲットを絞った企画設定が、熱心なネットユーザを引きつけたのか、当日は80名近くが集まる盛況なイベントになりました。実際、ホントに熱心なネットユーザが多かったらしく、Web上には既に熱の入った感想がたくさん上がってます。SBM研究会らしく、感想は「sbm研究会」タグから辿れますのでそちらをどうぞ*1

以下は、個人的に特に興味深かったテーマ2題についてのメモと感想です。

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■ Webページに「赤入れ」する手段としてのソーシャルブックマーク

コモンズ・マーカー: Webにマークを付け、みんなで共有
http://commonsmarker.com/

利用例(利用例)

コモンズ・メディア代表取締役の星さんによる講演「Webの世界に気づきを集積するコモンズ・マーカー」では、7月初頭に発表されたばかりの新サービス「コモンズ・マーカー」が紹介されました。

コモンズ・マーカーについては最近ニュースサイトにいくつか記事が出ていた(↓)ので、ご覧になった方も居るかと思います。

記事を読んでない方のために簡単に説明すると、このコモンズ・マーカーは、ページの中で気になった部分に蛍光ペンで色を塗って、コメントを書き込むようなサービスです。「Wordのコメント機能のWeb版」と言った方が分かりやすいかもしれません。

コモンズ・マーカーがこういうインターフェイスとして採用したきっかけは、「Webに朱入れ(赤入れ)する手段が無かったから」とのこと。

星さんは元日経BP者の記者なのですが、同業者に色々ヒアリングしていたところ、現場では記事を検閲するときに「ニュースサイトであろうと」一度紙に印刷してから赤を入れているそうです。確かに、紙に印刷して渡してしまった方が早いことって、よくありますよね……。また、吹き出しや付箋といった良くあるメタファを使わなかったのは、100個を越えるような大量コメントの共有に弱いため。評価尺度は「編集・共有に使えること」だったそうです。

他に星さんがアピールしていた利点は、「反応したい場所にそのまま書き込めるので、コメント欄より対話に向いている」点や、「面白いが難解な文書の一部に要約を付けるような形で、閲覧者が一緒にコンテンツを改善できる」点など。講演の最後は「マーク付け自体がWeb Publishingに、ひいてはメディアになる」として締めくくられました。

恥ずかしながら、最初ニュースサイトで見たときには「それなんてニコニコブックマーク?」と思ってたんですが、とんでもない勘違いでしたね(すみません……)。

星さんの仰っていた開発のきっかけから考えても、将来的にはWikiのような、コンテンツの共同編集手段と連携できると有望そうな気がしました。今の実装では、マークした部分の文書が編集されると、そのマークは「該当箇所なし」として扱われてしまうそうですが、この点についてはバージョン管理機能のあるWikiと連携すれば解決できると思います。または緊密に連携しなくても、例えば、Wikiの側で現在表示中のページのバージョンと、そのバージョンに対応したパーマリンクのURLをページに埋め込むようにすれば、特定のバージョンにマークを付けることも可能ではないかと。

ただ、名刺交換をお願いしたときに直接お聞きしたところ、そういう方向は将来の目標かもしれないけど今は特に考えてないそうです。しょんぼり。開発は少人数でやってるそうで、あちこち手を出すのはまだ大変そうですが、今後の発展に期待します。

おまけ:家に帰ってきてから取ってみたコモンズ・マーカーのアカウント
http://commonsmarker.com/user/muziyoshiz

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■ イントラネット内に閉じた社内ソーシャルブックマーク

もう1つ、個人的にとても面白かった話題は、パネルディスカッション中に紹介された社内ソーシャルブックマークの事例です。特に、みずほ情報総研の吉川さんから紹介された社内事例は、ソーシャルブックマーク(ソーシャルニュース)を起点にかなり密なコミュニケーションをしている事例として、とても興味深かったのでメモしておきます。

みずほ情報総研は銀行系SEが主の会社ですが、コンサルティング担当も少数居て、吉川さんはそのコンサル部隊の中でナレッジマネジメント関係の業務をされています。

みずほ情報総研では、2006年11月からマイネット・ジャパンに接触・企画を開始して、社内の一部で試行を開始(マイネット・ジャパンはユーザー参加型ニュースサイトnewsingの運営元)。その後2007年4月に、みずほ情報総研の監修のもと、社内ソーシャルニュースパッケージ「イントラnewsing」がリリースされ、2007年6月からは吉川さんの部署の全員にアカウントが配られたそうです。今回の講演は、社内展開からちょうど1年後ということになります。

参考:【プレスリリース】国内初の社内ソーシャルニュースパッケージ『イントラnewsing』をリリース (マイネット・ジャパン Info Blog)
http://blog.mynet.co.jp/info/2007/04/newsing_8.html

社内展開のユーザは、コンサルタント業務担当者40名程度。コンサルタントは、仕事柄、自分の専門分野のニュースは漏れなく見ていなければいけないため、イントラNewsingはかなり役立っているそうです。2〜3割のユーザはログインすらしてくれないらしいのですが、逆に言うと7〜8割のユーザは多かれ少なかれ使ってるわけで、かなりの利用率と言えるでしょう。

社内展開でのブックマークの主な閲覧パターンは、主に2つ。

1つは、特定の人(一緒に仕事をしている人など)のクリップを全部読むというパターン。これにより会議の時に「あの記事見た?見てない?最近は……」と意識合わせする手間が省けて、会議がスムーズになったという意見があるそうです。

そしてもう1つは、イントラNewsingの配信するメルマガを通して記事を読むというパターン。イントラNewsingは、前日にクリップされた全ての記事をメルマガで配信する「メルマガ機能」を搭載しているそうです。

そしてここからが面白い話なのですが、イントラNewsingは前日にクリップされた「全ての記事」をメルマガで配信するため、1日に登録された記事の件数があまり多くなると、メルマガが読み切れなくなってしまいます。そこで、1日に登録された件数が多い日は、ユーザが登録を遠慮するようになってしまい、結局1日に流れる件数は一定以下に落ち着いているそうです。つまり、イントラNewsingは、メルマガを共同編集する手段のような扱いになっている?わけで、これは興味深い現象だと思います。

その他、イントラNewsingの機能としては、頑張ってUNC表記(\\servername\path\filename.txtみたいなの)に対応して社内文書もブックマークできるようにしたものの、これは社内展開ではあまり使われてないそうです。個人的にはあったらすごく便利な機能に見えるんですが……専門分野のニュースを見るツール、という扱いになってることを考えれば、これはまあもっともなのかも?

また、イントラNewsingにはコメント機能が付いており、1つのニュースをきっかけに議論できるように何回も書き込み可能にしたそうです。ところで講演後に直接お聞きしたところ、みずほ情報総研の社内にもイントラブログがあるものの、そちらはあまり使われていないそうです。気になった記事をブックマークしたり、そこにコメントを付けるくらいの方が気楽だからというのが吉川さんの推測で、僕自身の経験からもこれは納得できます。社内限定のブログって、あんまり書くことないんですよね*2

最後に、利用者に対して過去2回行ったアンケートによると、利用者の感じているメリットは「新しいことができるようになった点」で、「情報収集の省力化」のようなポイントはかなり低いようです。コンサルタントとして売り込むときは、紙で配っているものを電子化して省力化するという売り方をしているそうですが、そこにズレを感じているようでした。

また、利用者に対するアンケートで、「イントラNewsingは便利か?」という質問に対しては「便利である」という回答のポイントが高かったものの、「全社に展開するべきか?」という質問に対しては「展開すべきでない」という回答のポイントが高かったそうです。この結果からも分かるように、みずほ情報総研の事例では、ソーシャルブックマークが少人数での密なコミュニケーションのツールとして使われているようです。

恐らくこれはソーシャルブックマークに限った話ではないと思うのですが、大量のユーザを抱えながらも、情報の公開/閲覧範囲をうまく制限する(あるいは制限してるように見せかける)仕組みには需要があるなあとつくづく思います。個人的には公私ともにこのあたりをずっと考え続けていたので、今回の講演はとても刺激になりました。

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■ その他色々

上記2つのトピック以外も、今回のSBM研究会では色々面白い話が聞けました。特に、今年の春から学びing(まなびんぐ)株式会社の企画営業部課長に就任された横田さん(a.k.a. ヨコタン)の講演は、その内容もさることながら、聴衆を飽きさせないプレゼン技術に感心しました。数年前はあんなにアレゲだったのに。。僕ももうちょっと頑張らないとなあ。

また、ここでは紹介しませんでしたが、他の方の講演もそれぞれ特色があり面白かったです。そちらに興味のある方は、上で紹介した各種ソーシャルブックマークから感想を辿ってみてください。

主催者のTomoさん、今回の会場を手配してくださったローカルコーディネータの宮田さんと佐々木さん、そして講演者の皆様ありがとうございました。

*1 Tomoさんが開会・閉会時に、「ブログに感想を書いて『SBM研究会』とタグを付けるようお願いしていた効果がてきめんで、関連記事を非常に拾いやすくなってます。まあ、現状ではそうやって工夫しないと類似記事をうまく集められないので、宮田さんらの発表したような研究は重要、ということかも。

*2 LinearNoteはこの問題に対する一つの解だと思ってるんですが、自分でもUIがいまいち気に入ってないので別の仕様を検討中です……。


2008/07/16

[P2P][SIP]第11回SIProp勉強会のお知らせ

第11回SIProp勉強会が、明後日の7月18日(金)に開催されます。

今回は、VoIPネットワーク間の相互接続(ピアリング)サービスを提供しているXConnect社の方から、SIPに関するお話をしていただく予定です。最近はSIProp勉強会といいつつ、NATの話やP2Pの話、NGNの話とかNwGNの話をしてることが多かったので、SIPそのものの話題が出るのってずいぶん久しぶりですね。

今回は会場の都合により、いつもと違って事前申し込みが必要です。参加を希望される方は、下記URLのページに書かれているメールアドレス宛に申し込みをお願いします。

第十一回SIProp勉強会の募集開始(なんとなく実験 with SIProp開発記)

■ 案内

  • 日程

    • 2008/07/18(金)

  • 時間

    • 19:30〜21:00

  • 参加費

    • ありません。

  • 懇親会

    • あり
    • 3000〜5000円の間
    • これのみの参加もOK
    • 21時スタート予定

  • 会場

    • 会場の都合により、公に出来ません。申し込みをされた方にのみ、お伝えいたします。

■ プログラム

  • X CONNECTの方による、SIP IXのお話

    • 詳細は、現在、未定です。下記のどれかになる可能性大。アンケート受付中。

      • SIPの相互接続 (NAT, SIP方言、H.323)
      • メディアの相互接続(コーディック、NAT)
      • 番号情報の共有方法(ENUM、その他)
      • IETFなどの標準化動向
      • 世界でのサービス

(※申し込み先のメールアドレスは、こちらをご覧ください)


2008/07/31

[P2P][SIP]第9回P2P SIP勉強会のお知らせ

8月10日(日)に、第9回P2P SIP勉強会が開催されます。今回は早朝にレンタル会議スペースでQoSの話を聞いてから、昼間から居酒屋に移動してジョークI-D(Internet Draft)についてくだを巻くというダメ人間コースが予定されております。

以下は、主催者今村さんのサイトに挙がっている告知です。

第九回P2P SIP勉強会(なんとなく実験 with SIProp開発記)

  • 日程

    • 2008/08/10(日)

  • 時間

    • 10:00〜気の済むまで

  • 参加費

    • 居酒屋での開催も予定されているため、3000〜5000円ほどの実費がかかる予定です

  • 懇親会

    • 必須

      • 3000〜5000円の間

  • 会場

  • プログラム

    • NiCT藤川さんによる、QoSのお話

      • 話の内容としては、もし何も無いところからスケーラブルなQoS保証マルチキャストルーティングプロトコル作ったら、こうなるのでは無いか、 というお話です。

    • 外山さんによる、P2P2PSIPの皮肉を楽しみながら、SIPについて語ってみる(怪)

      • 居酒屋プレゼンの形式を想定しております。
      • タノシク、ジョークI-Dを読み下します。

今回は前半がレンタル会議スペースでの開催のため、人数把握のために事前申し込みが必要です。参加を希望される方は、告知ページに書かれているメールアドレス宛に申し込みをお願いします。

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■ おまけ

某Uさんが前回のSIProp勉強会(7/18)をレポートしてたので、下にリンク張っておきます。これは良いまとめ。Windows Media PlayerやRealPlayerによる動画ストリーミングが、既に89%TCPになっている(RTP/UDPなんて使われてない)という話は僕も驚きました。すべてはHTTPの旗の下に!

RTPいらねぇじゃん「SIProp勉強会(2008/7/18)」 - 瑪瑙色の時間

あと、Android勉強会は引き続き続いてるようなのですが、僕は(月曜に仕事を早く抜けて秋葉原まで行く気力的な意味で)しばらく参加できそうにありません……。今後、開催日の紹介は僕が行く場合だけ書くことにしますので、告知を見逃したくない人はAndroid勉強会の本家サイトをこまめにチェックしてみてください。

FrontPage - Android勉強会

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(2008/08/03追記)
勉強会の日を8/9(日)と書いていましたが、これは8/10(日)の間違いでした。申し訳ありません。本文中の日付は既に訂正しました。


2004|06|07|09|11|12|
2005|01|02|03|04|05|06|07|08|09|10|11|12|
2006|01|02|03|04|05|06|07|08|09|10|11|12|
2007|01|02|03|05|06|07|08|09|10|11|12|
2008|01|02|03|04|05|06|07|09|10|11|
2009|01|02|03|04|05|07|08|10|
2010|01|03|
2015|03|
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