2007/01/07
■[P2P]2006年の無印吉澤と吉澤を振り返る
あけましておめでとうございます。今年もよろしくお願いします。
今回の日記は、毎年恒例の年末総集編です(もう年始ですけど)。去年の総集編はこちら(↓)。
年末年始は風邪気味で布団に籠もりがちだったので、総集編はもう書くのやめようかと思ったんですが……こういうのは習慣にしたほうがいい(あとでネタになる)と思い立ち、やっぱり書いておくことにしました。かなり今更ですけど。
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■ 2006年を振り返って
去年は仕事の方に気が行っていて、主に「ネタがあるときだけ書く」という感じでやってたんですが、その結果としてWinny話ばっかり書いてたみたいです。振り返ってみると、2006年の年明けはWinnyを介したウィルス感染による情報漏洩が話題になり、年末には京都地裁の一審判決が話題になった年でした。
以下は、去年のWinny関連日記の一覧。話題のネタだけに、Winny関連の日記は割と読んでくれた人が多かったみたいです。
- 2006/02/08: 第1回P2Pインフラ研に参加してきました
- 2006/03/24: 最近のWinny騒動についての個人的な考え
- 2006/04/05: ネットワーク技術の発展を阻害するのは警察か、それともISPか?
- 2006/04/13: ISPによる過去のワーム対策と、Winnyの共通点
- 2006/04/22: さよならウィニー
- 2006/05/18: ISPによるWinny遮断に対する、総務省のまっとうな見解
- 2006/06/14: 会社がプロバイダを強制する時代(になるかも)
- 2006/09/11: Winny事件報告会(東京)に参加してきました
- 2006/12/13: Winny開発者の金子氏有罪 → 控訴へ
京都地裁では、検察側、弁護側の両方の肩を持つような「罰金150万円の有罪」という中途半端な判決が出たわけですけど、その結果、判決の内容は当初の予想以上に技術者を萎縮させる*1内容になってしまったと思います。僕の大ざっぱな理解で言うと、検察はこれまで
「金子氏には悪意があるから有罪」
という理屈で攻めていたのに、結果的には
「金子氏には悪意がないけど、大規模に悪用されてるのを知りながら開発を続けたので有罪」
という判決になってしまっており、これは「(ソフトウェアは製造物責任法から除外されているのに)金子氏個人にWinnyというソフトウェアの製造者責任を求めている」ことに他なりません(参考:Winny事件判決の問題点 開発者が負う「責任」とは(ITmedia News))。
この点は、高木浩光氏も「不 当 判 決」 村井証人証言は僕ら技術者を幸せにしたかというエントリで以下のように指摘していました。
ここで、一般に、次の2つの司法判断を想定してみる。
(a) 違法な利用目的以外に利用価値のない技術(違法目的以外の利用には他の十分な技術が存在する)について、開発者が犯罪幇助の罪で処罰される。
(b) 有意義で価値中立的な技術について、開発者が犯罪幇助の罪で処罰される。社会における現実の利用状況に対する開発者の認識によって。
どちらが技術者にとって不安が大きいか。
(中略)
善良な技術者は、(a)の司法判断が出ることなど気にもしていない。今回の一審判決で(b)の司法判断が下されたからこそ、今後のソフトウェア開発に萎縮効果をもたらしかねないと懸念しているはずだ。
高木氏は、これまで一貫してWinnyのアーキテクチャを非難していましたが、それは恐らく(a)を理想的なゴールと考えているためだったのでしょう。個人的には、これは無罪を目指して戦うべき事例だと思うので、そのやり方には賛同できませんけども(参考:高木氏の主張は僕ら技術者を幸せにするか(ものがたり))。
ともかく、この裁判はもう最高裁まで戦うのが確定になってしまったのは確かでしょう。ウィルス騒ぎとWinny自体の脆弱性からWinnyユーザは一気に減るかと思った(参考:さよならウィニー)ら全然減らないし、来年は総務省、Winnyなどによる情報漏えい対策予算に10億円を計上(スラッシュドット ジャパン)という謎の研究も始まるしで、今年もWinnyは話題になりそうです。
■ 2007年の目標
ここの日記に書いた去年の抱負は「本業ももっと頑張る」だったんですが、なんだか頑張ったわりにあんまり進展がなかった年でした_| ̄|○
そこで、今年は、本業でちゃんと成果を出すのは当然として、それとは別に「プロトタイピングのための開発力向上」と「英会話力向上」の2つを抱負に立てようと思います。
まず、前者については、Javaの豊富なミドルウェアをもっとよく知るところから入りたいと思っていて、今は色々試しているところです(Seasarとか)。まぁ、最終的にはJavaなんて面倒になってRuby等のスクリプト言語に行っちゃうかもしれませんけど。
一方、後者はネイティブの喋りを多少なりとも聞き取れるようになるために、英会話教室でも通おうかと考えてます。でも、英会話教室にはまだちょっと尻込み気味なので、とりあえず冬休みにニンテンドーDSの「えいご漬け」を買って自宅でぼそぼそと練習しはじめました。シリアスゲームなんて、小学生のときに友達の家でやったファミコンのけいさんゲーム以来ですよ……。
で、最後にこのサイトですけど、今年も去年と同じで、当面はネタがあるときだけ書くような感じになりそうです*2。その分、日記を書くときにはなるべく濃い内容を目指して書いていきますので、今年もよろしくお願いします。
また、この日記に無関係と判断したコメント及びトラックバックは削除する可能性があります。ご了承ください。