無印吉澤(※新エントリはhatenablogに掲載中)

吉澤です。このサイトではIPv6やP2Pなどの通信技術から、SNSやナレッジマネジメントなどの理論まで、広い意味での「ネットワーク」に関する話題を扱っていたのですが、はてなブログに引っ越しました
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最新 追記

2006/05/06

[tDiary]Rast-0.3.1をインストール

全文検索システムRastをインストールして、tDiaryで書いた過去の日記を全文検索できるようにしました(サイドバーに注目!)。

このサイト(無印吉澤)はさくらインターネットのレンタルサーバを使っているので、この手のソフトを入れるのは自宅サーバと比べて非常に面倒なのですが、「じゃれすのろぐ」のインストールメモのおかげでなんとかインストールできました。

さくらで、Rast-0.3.1(まとめ)(じゃれすのろぐ)
http://eojareth.net/diary/20051226.html#p01

ただ僕の場合は、このサイトで書かれていないポイントでも結構つまづいてしまいまして……具体的には3時間くらい右往左往してしまいました。そんな僕みたいな「UNIXでソフトをインストールしようとすると、必ず変なところでつまづいてしまう」人のために、そのつまづきポイントをメモしておきます。

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■ 前提

※注:(user_name)は自分のユーザ名、(tdiary_dir)はtdiary.rbのあるディレクトリに読み替えること。

  • /home/(user_name)/local 以下に、必要なソフト一式をインストールする
  • インストールするソフトのソースコードは、/home/(user_name)/local/src以下に展開する
  • 環境変数PATHが、/home/(user_name)/local/binを含む

■ 「1. さくらでビルドした環境」への補足

  • apr-utilの./configureには --with-apr=/home/(user_name)/localオプションを指定しないとエラー
  • Berkeley DBはbuild_unixディレクトリの中に移動してから、../dist/configure, make, make install

■ 「2. Rast-0.3.1 ビルド」への補足(1)

Rastのmake install時に以下のエラー(Error code 71)が出る。これは、レンタルサーバの共有部分にRubyのライブラリを書き込もうとしてしまうのが原因。

/usr/local/bin/bash ../../../mkinstalldirs /usr/local/lib/ruby/site_ruby/1.8/i386-freebsd4
 /usr/bin/install -c -m 644 rast.so /usr/local/lib/ruby/site_ruby/1.8/i386-freebsd4/rast.so
install: /usr/local/lib/ruby/site_ruby/1.8/i386-freebsd4/rast.so: Permission denied

そこで、上記のディレクトリの代わりに

/home/(user_name)/local/lib/ruby/site_ruby/1.8/i386-freebsd4

を作成して、./configureのオプションを以下のように指定する(最後の2行が追記部分)。

./configure --prefix=/home/(user_name)/local \
        --with-apr-config=/home/(user_name)/local/bin/apr-1-config \
        --with-apu-config=/home/(user_name)/local/bin/apu-1-config \
        --with-db-includes="-I/home/(user_name)/local/include" \
        --with-db-libs="-L/home/(user_name)/local/lib -ldb-4.2" \
        --with-rubylibdir=/home/(user_name)/local/lib/ruby/site_ruby/1.8 \
        --with-rubyarchdir=/home/(user_name)/local/lib/ruby/site_ruby/1.8/i386-freebsd4

参考:NeyBSD NetBSDでRast-0.3.1を使おうとしてみる(おまぬけ活動日誌)

■ 「2. Rast-0.3.1 ビルド」への補足(2)

Rastのmake時に以下のエラー(Error code 1)が出る。さくらインターネットでは/usr/local/include以下にiconv.hがあるので、ここにインクルードパスを通す必要がある。

In file included from bzip2.c:6:
../../include/rast/filter.h:14: iconv.h: No such file or directory

回避する方法はいろいろあると思うが、僕の場合は以下のようなシンボリックリンクを作成して回避した。

%ln -s /usr/local/include/iconv.h /home/(user_name)/local/include/iconv.h

■ 「3. tDiary-Rastへの対応」への補足(2006/05/07追記)

まとめ記事にあるindex.rb、update.rb、rast-search.rb、rast-register.rbの他に、(tdiary_dir)/tb.rbの先頭も以下のように変更する必要あり。

#!/usr/bin/env LD_LIBRARY_PATH=/home/(user_name)/local/lib ruby

このようにtb.rbを変更しておかないと、rast-register.rbプラグインの呼び出しでエラー終了してしまうため、それ以降のプラグイン(具体的にはrecent_trackback3.rbとか)が呼び出されない。

tb.rbに限らず、今後tb.rbと似たようなプラグインを追加する際には注意が必要。

■ rast.soへパスを通す

上記の手順で、rast.soを/home/(user_name)/local以下に作成したため、rast.soはRubyライブラリの探索パスに含まれていない。このままではRubyプログラムからrast.soを利用できないので、以下のようにして、tdiary.rbのあるディレクトリ(ここにrast-search.rbを設置する)にシンボリックリンクを作成する。

%ln -s /home/(user_name)/local/lib/ruby/site_ruby/1.8/i386-freebsd4/rast.so (tdiary_dir)/rast.so

rast-register.rbを設置する(tdiary_dir)/misc/pluginディレクトリの方には、シンボリックリンクを作らなくても平気だった。

参考:Rubyリファレンスマニュアル - 組み込み変数

■ おまけ:Rastをテストする方法

Rast(+tDiary)が正しく動くかどうかは、pluginフォルダにrast-register.rbをコピーしたあとで、以下のようにインデックスを作成してみることでテストできる(以下は、正しくインデックスを作成できた場合の出力例)。

%cd (tdiary_dir)/misc/plugin
%setenv LD_LIBRARY_PATH /home/(user_name)/local/lib
%ruby -I /home/(user_name)/local/lib/ruby/site_ruby/1.8/i386-freebsd4/ rast-register.rb -p (tdiary_dir) -c (tdiary_dir)
(2004/) 0609 0629 0711 0911 1115 1119 1120 1122 1125 1130 1208 1215 1220 1225 1229 (2005/) 0105 0111 0117 0118 0119 0120 0127 0203 0207 0208 0214 0221 0224 0227 0313 0322 0328 0404 0411 0418 0426 0501 0506 0511 0514 0517 0518 0524 0531 0607 0613 0621 0624 0627 0703 0704 0712 0720 0801 0803 0809 0815 0901 0904 0911 0917 0929 1009 1016 1024 1109 1115 1120 1124 1130 1206 1214 1216 1224 1231 (2006/) 0107 0111 0116 0122 0127 0208 0213 0220 0226 0307 0313 0324 0405 0413 0422 0428

あとは「3. tDiary-Rastへの対応」さえしっかりしておけば、rast-registerプラグインも使えるようになる。検索フォームの設置方法は、tDiaryドキュメント - rast-register.rbを参照。

[tDiary]tDiary 2.1.4のnavi機能がおかしい

※すいません。この挙動は昔からの仕様だったようです。追記を参照。

今日の日記を書いて、初めて気づきました。月の最初、および最後の日記に表示されるnavi(「前の日記」、「次の日記」という表示)のリンク先がなんか変です。月の最初の日(1日)と最後の日(28〜31日)は、日記を書いていなくてもnaviに表示されてしまいます。

tDiary 2.1.4を使っている他の人はどうなのかなぁ、と思って調べてみたら……思いのほか毎日日記書いてる(=このバグに影響されない)人が多くて困ったんですけど……例えばmhattaさんのMy Human Gets Me Blues(2006-05-01)あたりを見ると同じ症状が出てました。とりあえず、うちのサイトだけの問題ではなさそうです。

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(2006/05/07追記)
これはtDiary 2.1.4の問題ではなくて、元々navi_userプラグインを入れないとこういう挙動をする仕様だったみたいです。僕の勘違いでした。2.1系が開発版だからって、バグの可能性を疑いすぎるのは良くないなあ……。

参考:日単位での表示で「前の日記」や「次の日記」へのリンクが存在しない頁を指している - デフォルトの制限(tDiary-users Wiki)


2006/05/18

[P2P]ISPによるWinny遮断に対する、総務省のまっとうな見解

ISPによるWinnyトラフィックの遮断について、本日、総務省から以下のような見解が出されました。

Winny通信遮断は違法(NHKニュース)
http://www3.nhk.or.jp/news/2006/05/18/d20060518000007.html(もう消えてます)

ところが、これについて総務省は、「Winnyによる信号かどうか調べる際にプロバイダーは通信の中身を一部解読することになり、『秘密の保護』を定めた電気通信事業法に違反する」と判断しました。これを受けて「ぷららネットワークス」側は通信を遮断する措置を中止することになりました。総務省では、「Winnyの対策は重要だが、今回の措置は法律に触れる行き過ぎた行為で認めるわけにはいかない」と話しています。

このニュースは、NHKが初出だったようです。Shareの時*1もそうでしたけど、NHKのおはよう日本はP2P関係のニュースを取り上げるのが妙に早いですよね……。

僕は以前から、ISPによる強制的なWinnyトラフィックの規制に反対だったので、このような見解が出たこと自体はとても嬉しいです(参考:ネットワーク技術の発展を阻害するのは警察か、それともISPか?)。

で、ISPによる規制が止められたこと自体は確かに嬉しいんですけど、その一方で、総務省がこのような見解を出す事になった背景には正直よく分からないところがあります。とりあえず、現時点で出ている関連記事を漁ってみました。

ニュースサイト毎に多少内容が揺れていますが、この中ではINTERNET Watchの記事の追記部分にある総務省のコメントが、背景の説明として一番納得できる内容でした。以下引用。

 総務省総合通信基盤局消費者行政課によれば、業務上必要となる「正当な業務」であれば問題ないと説明する。ファイル交換ソフトによる通信で帯域が占有されることがISPのサービスに支障を来たしていることから、その対策としての帯域制限は「正当な業務」にあたるとの判断だ。しかし、完全に通信を遮断するような措置になると、正当な業務の範囲からは外れる「過大」な措置と判断した。

 Winnyなどの通信に対する帯域制限は、ぷららを含め、いくつかのISPで導入しているが、総務省では、帯域制限までであれば通信の秘密に抵触しないとの見解だという。

要するに「Winnyの規制って基本的には通信の秘密を侵害してるよね。まあ、ネットワークを維持するために必要な程度ならやっても構わないけど」という意思表示なんでしょうか。

以前、ここの日記でISPのワーム対策に対する考え方を紹介しましたが、今回の総務省による見解はそれ(「ネットワークを維持するためにはフィルタも致し方ない」という考え方)と非常に近いような気がします。総務省の方にもネットワークオペレータと同じような考え方を持った人が居る、ということなのでしょうか……。

正直、この見解だけを見ると非常にまっとうなので、ついつい裏を疑いたくなってしまうのですけど、考えすぎですかね。うーん。


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