2007/10/07
■[P2P]BitTorrent日本オフィスツアーに行ってきました
mixiのTomo's Hotlineコミュニティで募集のかかっていた、BitTorrent日本オフィスツアーに参加してきました。Tomo's HotlineのTomoさんが企画している、P2P関連企業オフィスツアーの第2弾です(第1弾はSkype日本オフィスでした。僕は行けませんでしたけど……)。
[mixi] Tomo's Hotline - Bittorrent日本オフィスツアー
お待たせしました、オフィスツアー第2弾はBittorrentです。日本本格進出に伴う戦略のヒアリングやスタッフとの意見交換など盛りだくさんです!
□日時:10/5(金) 19:30〜
□場所:Bittorrent日本オフィス
BitTorrent株式会社(BitTorrent日本法人)のオフィスは、秋葉原とお茶の水の間くらいの場所にあるビルの一室でした。オフィスツアーの当日(10/5)は、ここに15名ほどの参加者が押しかけて、2時間ほどBitTorrentの方や他の参加者と色々雑談してきました(↓はオフィスツアーの様子)。
BitTorrentの日本法人設立については、9月に報道発表があって、あちこちのニュースサイトで紹介されてました。以下はその一例。
米BitTorrentが日本法人設立、P2Pファイル共有技術を国内企業に提供(INTERNET Watch)
http://internet.watch.impress.co.jp/cda/news/2007/09/25/16975.html
BitTorrent日本法人設立 国内でコンテンツ配信へ(@IT)
http://www.atmarkit.co.jp/news/200709/25/bittorrent.html
とはいえ、今回お邪魔した日本オフィスは、実は6月頃からあって色々活動してたらしいです(今回聞いたネタ)。ですが、オフィス近くで開催された何かのイベント(聞いたんですけど忘れてしまいました……)の開催に合わせて、9月にプレスリリースを出したのだとか。
最初にBitTorrentの方から簡単なメンバ紹介があったのですが、割合的にかなり営業が多いという印象を受けました(当人らもそう考えてるのか、技術者を3名募集中とのこと)。具体的な企業名はオフレコということだったのでここには書けませんけど、かなりあちこちの会社に声をかけているらしいです。
しかし、今後BitTorrentプロトコルがコンテンツ配信に使われたとしても、実際にこの日本法人の力を借りようとする企業がどの程度現れるかはまだ未知数に感じました。既にプロトコルがオープンにされている以上、(ハードウェアの公式認定とかを除けば)技術力さえあれば勝手にBitTorrentを実装したり、既存のオープンな実装を使ったりできるわけですし。例えば今回のツアーに参加していたコナミの方から聞いた話によると、METAL GEAR SOLID 4に同梱されるMETAL GEAR ONLINE 2はパッチ配布にBitTorrentを使っているそうなのですが、その実装はオープンソースのBitTorrentクライアント(Transmission)をベースにしてるという話でした。
その辺りを踏まえて今後の日本法人の戦略を詳しく聞きたかったのですが、正直、僕はBitTorrentの人とあまりお話できなかったので詳しい話は全然聞けませんでした。一応、ダウンロード違法化がBitTorrentのようなコンテンツ配信事業に与える悪影響については、少し話をしてきましたけど……。
(周りの人とばっかり話してるうちに、いつの間にか時間切れで追い出されてしまいました。
orz)
しかし、コミュニティエンジンやヨシダカマガサコ、グリッド・ソリューションズといったP2P関連企業の方も多く参加されていて、周りの人と話しているだけでもとても楽しかったです。そういう意味でも、このオフィスツアーは良い企画ですね。
オフィスツアーを企画してくれたTomoさん、およびBitTorrent日本オフィスの皆さん、どうもありがとうございました。
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参考:他の参加者の感想
2007/10/17
■[ネット文化]インターネット先進ユーザーの会 MIAU (Movements for the Internet Active Users) 設立!
MIAU : 公式サイト
http://miau.jp/
急なニュースでびっくりしましたが、とりいそぎご紹介。
本日、インターネット先進ユーザーの会 MIAU(Movements for the Internet Active Users)が設立されました。
MIAUは、ネットワーク利用者が直面しているさまざまな問題を理解した上で、現実の社会で力をもつ人々(政府や産業界や官僚)に対してネットワーク利用者の権利を訴えるための団体です。まあ、要するに、インターネットを消費している(?)人のためのインターネット消費者団体ですね。
例えば……最近、政府の知的財産戦略本部というところがいわゆる「ダウンロードの違法化」を検討しており、このまま順調に進むといずれ法案化されてしまう、ということが話題になりました。
著作権法の親告罪見直し 海賊版の出品・ダウンロード違法化も検討 07年知財計画(ITmedia News)
http://www.itmedia.co.jp/news/articles/0706/01/news094.html
著作権法違反は親告罪のため、権利者が告訴しない限り海賊版は罪に問われない。だが海賊版問題が深刻化していることを受け、「海賊版の販売行為など著作権法違反行為のうち親告罪とされているもの」について、07年度中に非親告罪の範囲拡大を含めて見直し、必要に応じて法改正などを行うとしている。
僕はこのニュースを見て、デジタルコンテンツの配布全般に関わるこれほど重大な法改正が、なんで権利者主導であっさり通ろうとしているのかが、非常に疑問でした。「著作権の非親告罪化」なんてことが現実になったら、普通にWebブラウジングするだけの一般ユーザにも影響してしまうのに、世間一般の消費者団体はなんで何も言わないんだろうか?と*1。
しかし、現状では世間一般の消費者団体とインターネットユーザには接点がほとんどなく、既存の消費者団体を通してインターネットユーザの権利を訴えるのは実際かなり難しいようです。知的財産戦略本部の私的録音録画小委員会に参加されていたジャーナリストの津田大介さんは、ITmediaのインタビューでこんなことを言っていました。
津田大介さんに聞く(後編):「ダウンロード違法」の動き、反対の声を届けるには (1/4) - ITmedia News
http://www.itmedia.co.jp/news/articles/0710/12/news014.html
小委員会には消費者団体の代表(主婦連合会事務局長)はいましたが、「消費者団体=ネットユーザー」ではない。だから、僕はこの1年半小委員会での議論に参加してきて、きちんとネットユーザー利益や主張を吸い上げて、政策を作るプロセスに関与させるための団体を作る必要があるということを強く感じました。
これってたぶん、ネットにおける匿名・実名の議論にも近くなってくるんですけど、ネット上で匿名で文句をいくら言っても「国民の声」にはなりにくいんですよね。ネットユーザーは自分たちの不満をどう政策として顕在化させていけばいいのか、そろそろみんなで考えるべきだと思いますし、顕在化させるための簡単な「仕組み」みたいなものを作っていく必要があるんだろうなと。
で、そういう経緯をふまえて、インターネットユーザの権利を訴えるために生まれた団体が、今回のMIAUのようです。津田大介さんの他に、AV機器評論家の小寺信良さん、法政大学准教授の(というかロージナ茶会の)白田秀彰先生が発起人とのことで、今後の動きにはかなり期待できます。僕も個人的に、MIAUの活動には協力していきたいと思います。
MIAU設立に関連するサイト:
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MIAU発起人/関係者のコメント
- MIAU設立のお知らせ(mhatta のジャーナル)
- MIAU、誕生(真紀奈のメモ帳)
- MIAU launched(ものがたり)
- 【おしらせ】津田さん・小寺さん・白田先生たちと明日記者会見を開きます(半可思惟)
しかし、設立発表会が平日かつ前日に発表って、社会人には行けませんて……。orz
*1 まあ、それより問題なのは、権利者の許諾を得てインターネット経由でコンテンツ配信を行う事業者全般に影響することなんですけど。許諾を得た事を示す印を、どっかの謎の組織に金を払ってもらわなきゃいけなくなるでしょうから……。総務省系でP2Pの実験してる人たちはどう思ってるんでしょう??
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