無印吉澤(※新エントリはhatenablogに掲載中)

吉澤です。このサイトではIPv6やP2Pなどの通信技術から、SNSやナレッジマネジメントなどの理論まで、広い意味での「ネットワーク」に関する話題を扱っていたのですが、はてなブログに引っ越しました
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最新 次の日記(2004/06/29)» 編集

2004/06/09

[P2P]P2Pwebの定義?

RinGOchの影響か、最近P2Pwebの定義について語るというブームがあったみたいです。議論が関連し合っている部分もあるので、ある程度時系列に並べてみました。

P2P再考(1) 分散はP2Pの本質なのか?(Next today ダブルスラッシュ)
http://blog.livedoor.jp/kozai22/archives/782505.html

P2P再考(2) 我が手にサーバを(Next today ダブルスラッシュ)
http://blog.livedoor.jp/kozai22/archives/871634.html

P2Pweb(ダイフク)
http://fuktommy.s64.xrea.com/?P2Pweb

P2P再考(3) 「対等な通信」は「すべてを等しくつなぐ」という意味では無い。(Next today ダブルスラッシュ)
http://blog.livedoor.jp/kozai22/archives/1217646.html

[P2P]P2P WEB 〜P2Pとサーバ=クライアントモデルの狭間で(Tomo's Hotline)
http://toremoro.tea-nifty.com/tomos_hotline/2004/06/p2pp2p_web_p2p.html

P2P-Web(IKeJIWiki)
http://ikejisoft.com/?%BF%EC%B5%AD%2F2004-06-18%2FP2P-Web

[P2P]P2P WEBその2〜アプリケーションの流通(Tomo's Hotline)
http://toremoro.tea-nifty.com/tomos_hotline/2004/06/p2pp2p_web_p2p.html

まだ関係しそうなサイトが抜けてましたら、タレコミお願いしますm(_ _)m

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ちなみに僕はP2Pwebという語感からして、P2Pwebの定義は

  • HTML(またはXHTML)で出力される
  • 他のHTMLからハイパーリンクされることが可能な、グローバルに一意な識別子を持つ*1

という2つの特性を持つコンテンツの集合、と考えていました。

そういうわけで僕は、現在のRinGOchはまだP2Pwebになりかけているところだと思っています。RinGOchでは掲示板やWikiが流通されるフレームワークを「P2Pweb」という固有名詞で呼んでいますが、僕の中の定義(というか感覚)では、RinGOchの中でもringoch.jpを使ってリダイレクトされるコンテンツはP2Pwebで、それ以外のコンテンツは(まだ)P2Pwebの一部ではない、というわけです。P2PリダイレクタやRinGOch用スキームが導入された後には、完全なP2Pwebになって、P2PとWebの融合を果たすことになるでしょう。

と、まぁ、僕は単純にこう考えていて、Next TodayのP2P再考(2)の最後に書かれているような

P2Pの特徴として「サーバにもクライアントにも変化する」点が挙げられる事が多いが、従来はクライアント同士を結びつける事を中心に考えられていたと思う。今後は、個々のパソコンを「サーバ」と変化させ、自分の好きなようにWebページ/サービスを構築できるような仕組みがあっても良いと思う。

ユーザが自作のCGI等を配布することで動的なページやサービスを構築できるようにする、という視点は全然ありませんでした。この点を僕なりにもう少し考えてみようと思います。

Tomo's HotlineのP2PWEB その2では、「自分の好きなようにWebページ/サービスを構築」することを「モジュール」と言い換えて更に突き詰めたものになっています。この「モジュール」と対比するなら、既存のP2P掲示板(WinnyBBSや新月、RinGOch等)は「モノリシック」と言えるでしょう。多少詳しく説明するなら次のようなイメージです。

  • モノリシック:元となるデータを動的にHTMLに変換するエンジンが、データ交換のインフラと一体化。ホスティングサービスに似ている。
  • モジュール:元となるデータを動的にHTMLに変換するエンジンが、データ交換のインフラと分離していて、後から自由に追加可能。レンタルサーバに似ている。

また、モジュール化するにしても、以下の2つの方法が考えられます。

  • モジュールを複数コンテンツで流用:少量のモジュールが流通。掲示板、Wiki、Blogのような機能毎に1つのモジュールを用意。
  • モジュールを特定のコンテンツに括り付け:大量のモジュールが流通。ユーザはコンテンツとモジュールをセットで配布。

前者の場合は「この得体の知れないソフトが安全かどうか最初だけ判断し、それ以降は判断の機会があまりない」という意味では、モジュールのインストールもP2Pwebソフトウェアのインストールも同じになります。後者の場合はコンテンツをダウンロードするたびにこの判断が付きまとうことになりますが、ビジネスとして「このモジュールは安全である」と証明してくれる組織でもあれば、この方法でも十分でしょう。もちろん前者と後者の組み合わせも考えられます。

今後このモジュール化をどう扱うかがP2Pwebソフトウェアの差別化要因になるのかも、しれないですね。

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ところで、前述のP2PWEB その2のコメント欄にてFuktommy氏との議論が開始しそうな予感です。Fuktommy氏の指摘は、モジュールの場合のみ発生する問題なのかも含めて要注目かと。

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(追記)
IKeJIさんのエントリが追加されました。話は更に続くようです。

P2P-Web2(IKeJIWiki)
http://ikejisoft.com/?%BF%EC%B5%AD%2F2004-06-20%2FP2P-Web2

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(2004/12/08追記)
移行前の無印吉澤@はてなダイアリーでのコメントもご参照ください。
http://d.hatena.ne.jp/muziyoshiz/20040619

*1 httpまたはhttpsスキーム以外で識別してもOKな定義です。

[]

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