2006/01/16
■[P2P][ネットワーク]情報共有(P2P)研究会に参加してきました
先日の日記でも紹介した、情報共有(P2P)研究会というイベントに参加してきました。主催は(財)日本情報処理開発協会。
このイベント、インターネット上ではあまり告知されてなかったので、ホントに人が集まるのか(他人事ながら)心配してたんですが、蓋を開けてみると参加者は50人を超えてました。主催者+講師陣から2ホップ以内の人(主にJava関係者)が結構集まってたみたいです。
さて。せっかく聴講してきたので、講演内容の簡単な紹介を書いてみます。
■ 「情報の共有とコミュニケーション」(稚内北星学園大学 学長 丸山 不二夫氏)
19世紀の電信から現在のインターネットまで、メディアが発達していく歴史の紹介。今までに映画、無線、電話、新聞、ラジオ、テレビと多くのメディアが登場してきたが、これらは元々全く異なるメディアだった。
しかしコンピュータ技術の発達により、20世紀末になってこれらのメディアが初めて統一的に扱えるようになった。今後は、ギルダーの法則に従って高速化するコンピュータ・ネットワークの下で、メディアが統合されていく。
メディアの統合が急速に進行すると、それが社会変動の引き金となり、社会変動はコミュニケーションと情報の共有を促進する、と丸山氏は予測している。P2P(peer to peer / person to persion)は、そのようなメディア統合を推進するトレンドの1つ。
メディア統合によって「個人の役割の増大」、「公共空間としてのネットワーク」、「コミュニティへの多重帰属」といった新しい問題が生まれる。ネットワークは自己表現、自己実現の場になり、我々の関係性こそがメディアになるのだー! ドーン!
……。
手元のメモを見る限りでは、以上のような内容の講演でした。
こんな社会学的な話になるとははっきり言って意外でしたが、後ほどお聞きしたところ丸山氏は元々哲学を専門とされていたそうです(なんとなく納得)。「ネットワークが世界を変える」といった夢のある話は久しぶりに聞きましたけど、やっぱりこういうのがネットワークの魅力ですよね。NAT越えみたいなせせこましいことばっかり気にしてると、つい忘れちゃいますけど。
■ 「Unstructured overlay と Structured overlay」(産業技術総合研究所 グリッド研究センター 首藤 一幸氏)
こちらは打ってかわって技術的な話。こんな濃い内容、背景知識が無かったら全然理解できないんじゃないか?と(他人事ながら)心配しつつ聞いてましたけど、個人的には非常に面白かったです。
僕が内容を中途半端に紹介するまでもなく、当日のプレゼン資料が既に首藤さんのサイトで公開されてますので、そちらをご覧下さい。DHT(Distributed Hash Table)に興味のある人なら、読んで損なしです。
"Unstructured overlay と Structured overlay"
ウェブページ (34枚)
http://www.shudo.net/publications/JIPDEC-P2P-20060113/
PDFファイル (399 KB)
http://www.shudo.net/publications/JIPDEC-P2P-20060113/shudo-JIPDEC-200601-overlay.pdf
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