2005/04/04
■[P2P][VoIP]College of William and MaryによるP2P SIPのドラフト
以前に取り上げようとしたものの、その後すっかり忘れてしまっていたインターネットドラフト"A P2P Approach to SIP Registration"(draft-bryan-sipping-p2p-00)の所感がnoritsunaさんのサイトで公開されていました。
P2P-SIP(なんとなく実験)
http://www.noritsuna.com/archives/2005/03/p2psip.html
初版の割にかなり長いドラフト(39ページ)なので、こういう要約があると助かります。
■[P2P][VoIP]P2P SIPのメリットって何?
で、今更ですが、「P2P SIP」という単語はP2Pネットワーク上でSIPメッセージを転送することでVoIPを実現する技術(手法?)の総称として使われています。
このP2P SIPに関する議論が最近になって活発になった理由は、明らかにSkypeの成功によるものです。そのため、P2P SIPが掲げるメリットはSkypeのデメリットを裏返したものになっています。例を挙げると、以下のような感じです。
- P2P SIPはオープンなSIPプロトコルに基づく
←Skypeはプロプライエタリなプロトコル - P2P SIPは既存のSIP端末を利用できる
←Skypeを利用するには独自端末が必要 - P2P SIPは中央集中サーバが不要
←Skypeは認証などのための管理サーバ(Network Management Server)を必要とする
ただ、いろいろ調べてみても、このあたりのメリットがどうも僕には納得できません。
まず1つ目のメリットについては、オープンなプロトコルであれば別にSIPでなくてもいいわけで、それこそJXTAのようなオープンなP2Pプロトコルでも良さそうです。
次の2つ目のメリットは、この中で一番納得できそうです。ただ、これはSkypeのような独自プロトコルでも、ピアにSIP端末とのゲートウェイ機能を持たせれば同じことになるのではないでしょうか(ちなみに、ブートストラップ問題はP2P SIPでも独自プロトコルでも同じ)。現に上記のP2P SIPに関するドラフトでも、「Adopter Node」という、P2P SIPをサポートしないSIP端末を接続するためのゲートウェイ機能を持つピアを用意しています。
最後の3つ目のメリットは確かにその通りだと思いますけど、サーバを用意しないと、セキュリティの問題による制約を受けて拡張性が随分下がってしまう気がします(例:証明書管理の手間など)。通話対象が限られるVoIPプロトコルなんて僕はあまり使い道がないと思うのですが、どんなものなんでしょうか……?
無印吉澤さんから、こちらのエントリーに、トラバを頂いたました!!! (というか、...
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