2007/06/21
■[セキュリティ][P2P]Winny特別調査員2で「プライバシーが侵害された」場合に、僕を守ってくれる法律ってあるの?
昨日の日記に対していただいたトラックバックの中で、「吉澤はWinny特別調査員2を違法だと考えている」と誤解された方がいたようなので、少し補足しておきます。
結論から言うと、僕はWinny特別調査員2の開発あるいは販売を違法だと考えてるわけではありません。皮肉を込めたタイトルや、強い口調の内容のせいで、まぁ誤解されても仕方なかったとは思いますけど……。前回の日記で書きたかったのは、次のようなことです。
- 近年の企業内でのセキュリティ対策を見るに、Winny特別調査員2はかなり「強制」に近い形で社員に配布される恐れがある
- 実際に社員がWinny特別調査員2を「強制された」と感じた場合に、その社員を「会社から」守ってくれる法律はあるんだろうか? 例えば、これまでに作られたプライバシー関係の法律を適用できないだろうか?
後者については僕は専門外で全然自信がなかったので、前回の日記を書いたあとで、法律に詳しい人に日記を見てもらって相談してみました。僕の相談した中の1人のid:inflorescenciaさんが書いてくれた、相談内容のまとめが以下のURLで公開されています(ありがとうございます)。
半可思惟 - Winny特別調査員2の違法性について考えてみました
http://d.hatena.ne.jp/inflorescencia/20070621/1182356530
この議論の中では、Winny特別調査員2を強制した会社についてだけではなく、Winny特別調査員2を開発したネットエージェント社を訴える可能性まで含めて議論しました(そのへんも、誤解を与えてしまった一因なのかも)。
詳しくはリンク先を見て頂くとして、この議論の結論としては、ソフトを強制した会社に強要罪を適用すること(昨日の日記に書いた案)はかなり難しいようです。また、このWinny特別調査員2を開発した会社を何らかの法律に基づいて訴えることも、当然ながら、それ以上に難しそうだという結論でした。
今後、企業がコンプライアンスの名の下に個人の領域を犯そうとするのに対して、個人が何処に対抗すべきかが重要な問題になりつつあると感じています。そんな中で、Winny特別調査員2は、企業の側に重心を置きすぎている存在に見えるため、僕個人としてはこれは(違法ではないにしても)かなり害悪なソフトだと思ってます。前回の日記で言いたかったのは、そういうことです。
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(追記)
いつも読み応えのあるP2P関係の記事を書かれている「P2Pとかその辺のお話」でも、Winny特別調査員2のことが取り上げられてました。やっぱり腹が立つものみたいです。
ネットエージェント、情報漏えい問題に従業員のプライバシー無視ソリューションを提案(P2Pとかその辺のお話)
http://peer2peer.blog79.fc2.com/blog-entry-518.html
にしても、Winny上のウィルス作者を特定したというネットエージェントさんは、そちらは放置してWinnyウィルスで大もうけってわけだ。
そういえば、確かに大分前にそんなことを言ってましたね(もう2年以上前ですか)。まあ、以前からあまり良い印象の無い会社ではありました。
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