2008/02/12
■[VoIP]VoIP Conference 2008に参加してきました
2/8(金)に開催されたVoIP Conference 2008に、こっそりと参加してきました。
会場は小金井のNICT本部。駅からバスに乗って行くルートもあるらしいのですが、当日は国分寺駅まで電車で行ってからひたすら歩いて行きました。公称通り、駅から徒歩15分ほどで到着。
NICTの受付には参加者のmixiニックネーム一覧が置いてあり、そこに自分の名前と所属を書いて、ゲスト用のバッジをもらって入場しました。研究機関に、どこの誰とも知れない人間を入れさせるとなると結構煩そうだなあと思っていたのですが、意外とすんなり入れてびっくり。後から聞くところによると、会場と提供してくださった方々は、やはり色々事務方との交渉に苦労されたとのこと。ありがたい話です。
当日の講演資料や、他の参加者の方々の感想は、主催者Tomoさんのサイトにまとめられていますのでこちらをどうぞ(↓)。
参考:VoIP Conference 2008お疲れ様でした!(Tomo's HotLine)
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以下は講演内容についての感想。
講演内容は、VoIPというキーワードには沿っているもののバラエティに富んだ、ぶっちゃけて言えばみんなバラバラな感じでした。それぞれ面白かったのですが、特に、SIPropの今村さん&アークランプのyusukeさんのコンビによる雷電の話と、コナミの佐藤さんによるNAT越えの話が面白かったです。
雷電については以前からSIProp勉強会で話を聞いていて、大まかな話は知っていたのですが、今回改めて講演を聞いてその将来性を強く感じました。「WebアプリとSIPの連携」という基本的なコンセプト自体は良く聞く話ですが、この雷電の魅力は、yusukeさんのこだわりから来る設計の良さにあると思います。ただまあ、あくまで話を聞いた限りのことですけどね。いずれソースコードが公開されたら、ちゃんとコードを追ってみたいと思います。
質疑応答の中で「今後のロードマップは?」という質問が出たのですが、yusukeさんによると「今年中に雷電を使った製品を出したい」とのことだったのでそちらも楽しみです。
参考:音声とWebの融合を目指して プロジェクト雷電 (arclamp.jp アークランプ)
一方、コナミの佐藤さんからは、NAT越え技術の最新動向と、それらの技術を実際のゲームに適用した事例が紹介されました。
Cone、Restricted、Port Restricted、Symmetricの4分類を越えるNATの分類については、3年ほど前からBehavior Engineering for Hindrance Avoidance (behave)ワーキンググループで議論されていたものの、日本語ではほとんど紹介されることがありませんでした。今回の講演ではそのあたりが詳しく紹介されてましたので、公開資料だけでもかなり価値ある内容だと思います。NATに興味のある人は読むべし。
それと、NAT越えについては「100%これで大丈夫」という手法がないので、実際のアプリケーションにNAT越え手法を適用する際には何らかの妥協が必要になるものですが、今回の講演では各事例での妥協方法も詳しく触れられていて面白かったです。ちなみに、200台以上のブロードバンドルータで接続試験をしたんだとか。昔、第1回P2P勉強会でお会いした須之内さんもそんな話をしていたような気がします。やっぱり、製品レベルのNAT越えを実現するのは大変ですよね……。
講演後、佐藤さんと「NAT越えってみんな苦労してるのに、どうしてオープンソースのライブラリが普及しないんだろう」という話をしたんですが、個人的には多分2つ理由があるんじゃないかと思います。1つは(まさに佐藤さん達がやったように)大量にあるNAT機器との検証が大変なこと、もう1つは「100%これで大丈夫」を目指して作られるライブラリ(というかシーケンス?)は実際のソフトウェアに適用するには重すぎるんじゃないかと。まあ、最近の状況は追えてないので、単なる憶測ですけどね。
参考:Ryo's diary(2008-02-08)(講演者の佐藤さんのブログ)
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今回、一通り講演を聞いていて改めて思ったんですが、VoIPはやはり、既存の電話の置き換え以上にはなりそうにないですね。Asteriskなど個々に面白い動きはあるし、VoIP自体はBBフォンやひかり電話で既に一般的になったものの、電話の提供者という意味では従来とほとんど変化がないですし。個人的には雷電の今後に期待したいところですけど、はてさてどうしたもんだか……。
遅くなりましたが、VoIPConference2008の補足的なものです。 まず...
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