2005/05/01
■[SBM][SNS]「同質的」という単語の意味 / SBMはロングテールの敵か?
前回の日記には個人的にいろいろ気になる点があったので、主に2つの点についてセルフつっこみしておきます。
(突っ込まれると思っていたら誰も反応してくれなかったので。SNS関係のサイトにもことごとくスルーされるし……)
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1つ目は「同質的」という単語の意味について。
自分で言うのもなんですけど、前回の日記は途中までは論理的に書いてあるものの、最後の章(「■ SBMのネットワークとSNSのネットワーク」以下)で「SBMのネットワークは情報交換に適している」という印象を理由付けするために
- (1) SNS(ソーシャルネットワークサービス)のネットワークは同質的
- (2) 逆に、SBM(ソーシャルブックマーク)のネットワークは分散的
- (3) 情報交換のネットワークには分散的で多様性のあるネットワークが適している
- (2)と(3)により、SBMのネットワークは情報収集に適している
- (1)と(3)により、SBMのネットワーク形成にSNSの特性(同質的)を利用するのは逆効果
という、かなり乱暴な論理を展開していて、個人的にはその気持ち悪さがずっと気になっていました。
前回の日記を読んで僕と同じ気持ち悪さを感じた人がいるとしたら、それは多分僕が「同質的(homogeneous)」という単語を曖昧に使ってしまったせいだと思います。そもそも「同質」という単語自体、辞書にはこんな風に書いてあるくらい曖昧です。
どうしつ 【同質】
質が同じであること。
⇔異質
現在のSBMは主に先進的なユーザ(early adapter)によって使われている、と言われていますが、もしそれが本当だとしたら「人種:日本人」「性別:男性」「年齢:20〜30歳」「嗜好:IT関係に興味がある」という多くの要素で同質な人達によって作られているのが現在のSBMのネットワークなはずです。それが何故面白いのか?
その理由を論理的に説明するためには「情報収集に適したネットワークを形成するためには、ユーザ同士がどの要素で異質ならば良いのか?」という細かい話を出来ないとダメそうですけど、今のところ僕にはよく分かりません……このあたりについては今後も考えてみます。
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2つ目はSBMのランキング機能について。
del.icio.usやはてなブックマークのような代表的なSBMでは、クリップされたサイトに付随して、そのサイトをクリップした人数を表示する機能があります。
これがある種のランキング機能として働いていて、ユーザから重宝されているのですが……これはSBMのユーザ数が少ない今でこそ有効に機能しているものの、今後ユーザ数が増えるに従って
- 「注目されているサイトがますます注目される」
というベキ乗の法則に従うようになって、一度注目されたサイトはひたすらクリップされるけど、注目されないサイトは内容に関わらずいつまでも衆目に触れないということになってしまうのではないでしょうか? 前回の日記ではランキング機能に触れず、SBMのメリットを「情報収集に適した形でWWWのオーバレイネットワークを形成する」ことと結論づけたのは、そう考えてのことでした。
ロングテール萌えのお兄ちゃん達は、ソーシャルブックマークのことをどう捉えているんでしょうか。気になります。
参考:ロングテールのリンク集
http://harryblog.exblog.jp/1871306
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